はじめに

自閉症の概念と診断基準

まず自閉症の概念について述べます。

自閉症は自閉という特定の心理状態を指すのではありません。

ましてや幼少時の親子関係のあり方のような心理的発達の障害から起こったものでもありません。

母親や父親の育て方が悪くて発症することもありません。


現在は、自閉症は脳の器質性障害に基づいて生じることが明らかになっています。

原因は多因子的で、症例によって成因が異なります。


多くの原因があると思われますが

遺伝子上の突然変異、ウイルス、有毒化学物質(水銀)等も原因と考えられます。


自閉症は基本的に症状から判断する症候群です。


自閉症の中核をなすものはMind blindnessといい、他人の心が読めないことです。


私たちは他人の顔や眼をみて相手の気持ちを判断することができますが、

自閉症の子供たちは相手の表情が読めません。

このために社会性や対人関係がうまくいかなくなるのです。


自閉症の診断基準

次の2つの診断基準をもちいる

1)米国精神医学会の診断と統計のための手引き(DSM-IV)

2)世界保健機関(WHO)の国際疾病分類第10版(ICD-10)

これらの診断基準はほぼ同じです。

以下に診断基準のまとめをしめす。


診断基準のまとめ


1)社会的人間関係の重篤な障害

2)言語発達の遅れと偏り(コミュニケーションの障害)

3)こだわり

  事態や物事の変化への強い抵抗

  活動や興味の範囲が極端に狭い

  日常の手順への固執、奇妙な物への愛着

  遊びなどでの常同的なパターン(常同性)

  物とのかかわり異常 


自閉症の分類

自閉症は広汎性発達障害に分類されます。

自閉症は自閉症スペクトラム(自閉症スペクトル)と呼ばれるように

多種・多様であることが分かってきました。


診断基準をすべて満たす場合はKannerタイプといい、基本的には重度の子が多いです。

Kannerの症例より軽いタイプや奇異なタイプ、またAD/HDと区別がつきにくいタイプがあります。

自閉症の細かい分類として広汎性発達障害の下位分類を示す。

広汎性発達障害の下位分類
・ 自閉性障害、小児自閉症(自閉症)

・ レット症候群

・ 小児期崩壊性障害

・ アスペルガー症候群 =?高機能自閉症と異同について議論がある

・ 非定型自閉症

・ 特定できない広汎性発達障害(PDD-NOS)

・ 精神遅滞および常同運動に関連した過活動性障害
高機能自閉症
高機能自閉症とは知的水準に遅れがない自閉症のことをいいます。

標準化された知能検査でIQが70以上の場合をいいます。

高機能といっても知能に関する定義にすぎず、

自閉症の症状が軽く社会適応状態が良いというわけではありません。


反対語として低機能自閉症がありますが、
 
当然のことですが自閉症障害の全体を指して高・低としているのではありません。


同じように高・低の中間に中等機能の自閉症があります。

高機能自閉症とアスペルガー症候群とは厳密に区別しないでもよいとの考えが支持されてきています。








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